その名はナトリウムイオンバッテリです。
こちら、リチウムイオンバッテリと原理は同じで、正極にナトリウム化合物、負極に炭素材料、電解液に有機溶媒などを用いて、ナトリウムイオンが正極と負極の間を行き来することで充放電が行われます。
充電する際は、正極のナトリウムイオンが電解液を通って負極に移動し、その正極と負極の電位差によって充電することができます。対して放電する際は、負極に蓄えられていたナトリウムイオンが、正極側に移動することで放電することができます。
リチウムイオンバッテリと比較して、ナトリウムイオンバッテリの特徴は、以下のとおりです。
- 原料のナトリウムは地球上に豊富に存在するため、リチウムイオンバッテリに比べて資源の制約が少ない
- 電解液に水や有機溶媒を使用できるため、リチウムイオンバッテリに比べて安全性が高い
ただし、ナトリウムイオンバッテリは、リチウムイオンバッテリに比べてエネルギー密度が低いという課題があります。そのため、実用化に向けては、エネルギー密度の向上が課題となっています。
ナトリウムイオンバッテリは、次世代電池として期待されており、近年、各社で開発が進められています。
具体的な開発状況としては、中国のCATLが、2023年にナトリウムイオンバッテリを搭載した電気自動車の量産を開始しました。また、トヨタ自動車も、2025年頃にナトリウムイオンバッテリを搭載した電気自動車の量産を予定しています。
今後、ナトリウムイオンバッテリのエネルギー密度が向上し、実用化が進めば、リチウムイオンバッテリに代わる次世代電池として普及していくことが期待されます。まだ小さくならないのでモバイルバッテリーには遠いかと思いますが、数年先はもっと安く軽いバッテリーが手に入るかもしれません。
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